共通教育履修案内

外国語履修案内

◆令和5年度 (令和5年11月9日更新)

 大学は、さまざまな外国語を学ぶことのできる希有な場です。専門分野を学ぶにあたって必要な場合はもちろんのこと、特に必要に迫られなくとも、世界のいろいろな言語に触れてみたい、触れたらさらに深めたいと思うことがあるはずです。 大半の学生にとっての既修外国語である英語は、コミュニケーション・スキル科目とは別に、全学共通教育科目としてもさまざまな内容の科目がレベル別に開講されています。法学部生と社会学部生の必修外国語としては、ドイツ語、フランス語、ロシア語、中国語、スペイン語、朝鮮語、日本語(留学生用)の7言語が用意されています。商学部生と経済学部生にとっても、これらの言語を学ぶことは有意義です。そのほかに、アラビア語、ギリシア語、ラテン語があるので、各自の関心に応じて履修してください。留学生のために、必修でない日本語の科目も豊富に提供されています。全学共通教育科目の「外国語」の区分に算入できる単位数は限られていますが、自由選択科目として、さらには卒業要件を超える自主的な学修として、積極的に履修することを期待します。 とはいえ限られた時間で多くの言語を一度に学ぶことはできませんし、学ぶとなったら一定以上の月日と努力を要します。どの外国語を選んで学ぶか、その選択に資するために、何種類かの「案内」を下に用意しています。
  • 選択案内:各言語とその文化圏の紹介
  • 読書案内:その言語を学びながら並行して読むと楽しいお薦めの本の紹介
  • 辞書案内:その言語を学ぶために最適な、教員が薦める辞書の紹介
  • 学修の目安:どのような科目をどのように履修して積み上げていくと、どの程度のレベルに到達できるかの目安
これらの案内を参考にして、今の自分に一番ふさわしいと思える言語を選び、扉を叩いてみてください。 「外国語科目」として用意されているのは上記の諸語ですが、他に「世界の言語入門」という人文学科目の枠組みでイタリア語・ベトナム語を学ぶ機会があります。他にも、いろいろな授業で、思いがけない言語に出会うことができるかもしれません。 さらに語学に関しては、以下のサイトも参考になります。

数理・情報

大学以降の数学の基盤をなす線形代数と微分積分の考え方や手法は、自然科学のみならず社会科学においても欠かせない大切なものです。数学分野の基礎科目「線形代数Ⅰ・Ⅱ」、「微分積分Ⅰ・Ⅱ」では、その理論と応用について学びます。数学を用いる各学部教育科目では、多くの場合これら4科目の理解を前提としています。数学の基礎学力を身につけたい学生や、将来、理論経済学、計量経済学、ゲーム理論、金融工学、保険数理など数学を多用する分野の科目を学びたい学生には前述の4科目全てを履修することを勧めます。もうひとつの基礎科目「数学概論」(法学部と社会学部の学生のみ履修可)では、線形代数と微分積分の内容から教養として身につけるべき題材を選んで理論全体を概観します。 数学分野の発展科目には線形代数と微分積分の「続論」や「演習」の他、「集合と位相Ⅰ・Ⅱ」、「確率」、「統計」、「計画数学Ⅰ・Ⅱ」、「数理論理学」などが用意されており、数学を幅広く学習することができます。 なお数学科目には進学および卒業にかかわる修得要件もあり、計画的に履修していくことが重要です。特に商学部と経済学部の新入生は、以下のより詳しい履修ガイドに目を通したうえで履修計画を立ててください。 情報科学分野の基礎科目には、コンピュータやネットワークの知識と技術、および情報セキュリティの問題について基本から学ぶ「情報リテラシー」と、コンピュータプログラミング(C言語やPythonなど)の初歩について学ぶ「プログラミング基礎」の2科目があります。また、発展科目「情報応用論」では、デジタルコンテンツの作成、デジタルメディアの特性や権利・契約の問題について学びます。いずれの講義も、情報教育棟の端末などを用いた実習形式を交えて行われます。 理科分野には、物理、化学、生物、地学、環境科学の5本を柱として、生態学や科学史などを加えた自然科学の基礎・発展科目がはば広く提供されています。とくに、基礎科目「サイエンス工房」は、科学実験を交えて自然科学の理解を深める本学に特徴的な双方向型授業です。また、発展科目「サイエンス・リーディング」では、自然科学の名著に触れて思想を読み解き、その普遍性を学びます。自然の摂理を探求する自然科学はあらゆる学問の礎ともいえます。講義・実験・名著を通して、単なる知識の吸収にとどまらず科学的な視点や洞察力を磨くことのできる理科分野科目の積極的な履修を期待します。

運動文化

現代社会の生活様式は、慢性的な運動不足を引き起こし、体力・健康不安を増大させています。また、スポーツの社会的、かつグローバルな広がりは、スポーツが自己実現やコミュニケーション、人間らしい生き方の追求と深く関わるとともに、人と人を地球的な規模で結びつける文化であることを示しています。スポーツは、人間の身体的・文化的生存と社会の発展、世界の友好と平和に大きく貢献するものとして、その重要性を広く認められつつあります。その一方で、ドーピング・薬物汚染や勝利至上主義などスポーツをめぐる諸問題も存在しています。 運動文化科目では、これらのことをふまえ、入学後の学生の体力・健康の維持促進や技能の向上に留意しながら、健康やスポーツ・運動文化に関する科学的、総合的認識と高度な教養を身につけることを目標にしており、この文化領域を主体的に享受できるような能力の育成を目指しています。誰にとっても身近な存在であるスポーツを社会科学的な視点から見ることで、それまでには見えてこなかったスポーツのあり様をとらえていきます。 運動文化科目は、基礎科目の「スポーツ方法(春夏)I」「スポーツ方法(秋冬)Ⅰ」「スポーツ演習」と発展科目の「スポーツ方法II」「スポーツ・健康科学に関する講義」から構成されています。なお、「スポーツ方法(春夏)I」「スポーツ方法(秋冬)Ⅰ」「スポーツ演習」は社会学部の学生のみ「選択必修科目」になっています。 (*年度ごとの開講種目・科目は、必ずシラバス等で確認してください)
  • スポーツ方法(春夏)Ⅰ、スポーツ方法(秋冬)Ⅰ
基礎的な体力と、スポーツについての基礎的能力(技術認識、練習方法、技術習得、組織運営など)の養成、及びグループ活動を通しての人間関係の形成を目的としています。なお、健康上の理由で運動制限の必要がある学生についても、原則として各種目において対応します。(*詳細については「Ⅰ.履修ルール編」を参照してください)
  • スポーツ演習
スポーツ演習は、少人数のゼミ形式での学習を通じて健康やスポーツ・運動文化に関する科学的・総合的な認識、高度な教養を身につけることを目指します。本科目では、教室での講義やディスカッションだけでなく、グラウンドや体育館、武道場などを使用した実技の授業も組み合わせながら学習を進めます。
  • スポーツ方法Ⅱ
スポーツ方法Iの目的を共有し、またより高度なスポーツ学習の機会を提供するとともに、新しい種目の導入などをふくめ、多様なスポーツ実技種目を開講します。同時に、該当種目が未経験な学生に対しては、基礎的な能力習得を目的としている授業も開講しています。すでに経験のある種目のみならず、未経験の種目にも挑戦して下さい。1~4年生は4年間にわたって自由に選択して履修することができます。
  • スポーツ・健康科学に関する講義
現代社会における健康やスポーツ・運動文化のあり方にかかわるさまざまなテーマを取り上げます。1~4年生は4年間にわたって自由に選択して履修することができます。

人文学

人文学科目は、「哲学・思想」「歴史学」「文学」「人間科学」「総合」の5つに区分されています(「総合」はさらに「地域文化」と「Big Questions」の下位区分に分かれています)が、これらの区分はあくまでも履修のための目安、すなわち、みなさんが自分の関心に近い科目を探すときに役立つように設けられた指標にすぎません。というのも、人文学というのは無数の小分野を包摂しながら全体がひとつにつながった大きな星雲のようなものなので、内容に照らして綺麗にきっぱりと区分することがそもそも困難だからです。例えば「哲学・思想」に関わる学問と「歴史学」に関わる学問は、お互いが常にお互いを参照しながら展開されてきましたし、「哲学の歴史」や「歴史という思想」は、「哲学・思想」「歴史学」のいずれにも分類可能で、どちらかに決めてしまうことはできません。あるいは「哲学・思想」と「文学」も、根本的に切り分けることは困難です(例えばニーチェの書いた本は、哲学の本であると同時に、文学だという見方もできるからです)。 それでも「哲学」「歴史」「文学」という区分は比較的古くから(といってもせいぜい17世紀ですが)行われていた区分なので、まだしもわかりやすいことでしょう。「人間科学」は新しい呼称で、文字通り、人間とその営みに関するさまざまな事象を科学する学問ということですが、20世紀後半になって、それまでは学問の対象になっていなかった多くのことがらに新たな学術的価値が見出されるようになったところから、大きな区分としてしばしば採用されるようになったものです。一橋全学共通教育では、「哲学」「歴史」「文学」にどうしてもおさまりきらない種々の分野の科目をここに入れています。例えば、最も目を惹く科目群はおそらく「芸術」に関するそれでしょう。美術、音楽、映像、舞台芸術などに関わる科目がありますが、これらが入口を提供する各芸術分野もまたやはり、他の区分の学問と大いに混ざり合い、互いに影響を与えあいながら進展しています――音楽の歴史、美術の思想、映像の言語、といったように。そして、この「人間科学」の区分にすらどうしてもおさまりきれない、複数の区分にまたがって大きく広がる問題系を相手にする科目は、「総合」の区分に入れられています。下位区分の「Big Questions」には、例えば「ジェンダーから世界を読む」とか、「アジア共同体論」のような、上の5つの区分すべてにまたがって学ぶ種類の、グローバルな問題意識を前提とした科目があります。これに対して下位区分「地域文化」には、例えば「英語圏の社会と文化」というような、世界の中のある特定の地域に関する総論的な科目が入っています。地域は限定されていても、問題設定は「Big Questions」と同様の分野横断的なものです。 このように人文学科目群は、極めて広範な空間と時代を相手にしています。それだけに、専門的な社会科学とは根本的に異なる固有の論理や方法論を持っていることがあるため、最初はとまどうこともあるかもしれません。しかし、そのとまどいこそが学修の第一歩であり、広い視野と、独断に陥らずに偏りのない目で事象に相対する視線の獲得のための、大切なきっかけです。 人文学科目はほぼ全てが自由選択科目ですが、大学教育における予期せぬ知識や世界観との出会いは、しばしばこれらの科目において得られます。5区分の科目それぞれ「基礎」と「発展」に分かれているので、分野とレベルを意識しながら系統的に学ぶこともできますが、時には、純然と興味関心に従って、単発的に「ふと」何かの科目を履修してみることも、決して無駄ではありません。そこで何を学んだか、そのときは判然としなくとも、そこで学んだことは、十年後、二十年後に己れと世界とを見る皆さんの視線におのずから必ず反映することでしょう。人文学とはそのような学問です。

古典講読入門(人文学科目)

古典講読入門は、平成29(2017)年度のカリキュラム改変に伴って設けられた横断的な科目群です。長く読み継がれてきた古典は、ただ単に古めかしいだけの「過去の遺物」ではありません。現代に生きる私たちにとっても、繰り返し立ち返るべき「知恵の宝庫」です。もちろん、今では通用しなくなった部分もあるでしょう。その一方で、今の時代だからこそ新たな意味を帯びてくることもあります。古典に新たないのちを与えるのは、私たち新しい読者なのです。高校までの教科書でタイトルだけは見かけたけれど、中身は知らないという本がありませんか? そうした「本物」に触れてみるチャンスです。古典講読入門は、人文学科目と同じように「哲学・思想、歴史学、文学、人間科学、総合」の五つに分類されているので、関連する講義科目とあわせて履修すると、相乗効果が期待できます。

キャリア科目

キャリア意識の形成に寄与する形で、「キャリア基礎科目」、「社会と社会人に学ぶ科目」、「実践スキル科目」の3つの区分の科目を提供しています。「キャリア基礎科目」は早期にキャリアについて考える基礎的フレームとして、「社会と社会人に学ぶ科目」は、社会の実情に触れ自らの現実的キャリアを構想する機会として提供しています。キャリア科目の詳細はキャリア支援室で確認できます。 中でも特筆すべき科目が、「社会と社会人に学ぶ科目」として、如水会から寄付講義として提供されている、「社会実践論」と「如水ゼミ」です。社会実践論ではオムニバス形式でOB、OGの講義を通じ、キャリアやキャリア形成課程と触れ合うことができます。如水ゼミは様々の分野の業種に特化したゼミとなっており、OB、OGを中心として、企業そのものを追体験できる、一橋大学でしか経験することができない貴重なゼミ講義となっています。

教養ゼミナール

少人数双方向型の「ゼミ」として提供されています。担当教員は全学共通教育をつかさどる教員で、社会科学の諸分野に限らない様々な分野のゼミがあります。初年次や2年次での受講が推奨されますが、制限はありません。ゼミ形式での講義では、思考力、洞察力のスキルが欠かせません。ゼミに参加し、これらの能力に磨きをかけることで、引き続く専門のゼミでも応用が利く力が養われます。

共通ゼミナール

共通ゼミナール(共通ゼミ)では、全学共通教育の学問分野を3~4年生に開放しています。各学部が提供する「後期学部ゼミナール」に替えて、主ゼミとしてこれを履修し、ここで卒業論文を書くこともできます(商学部を除く)し、別のゼミと並行して、知的関心を深めるためにこれを副ゼミとして履修することも可能です(学部の必修単位とはならないので卒業要件には注意のこと)。共通ゼミナール(共通ゼミ)では、全学共通教育の学問分野を3~4年生に開放しています。各学部が提供する「後期学部ゼミナール」に替えて、主ゼミとしてこれを履修し、ここで卒業論文を書くこともできます(商学部を除く)し、別のゼミと並行して、知的関心を深めるためにこれを副ゼミとして履修することも可能です(学部の必修単位とはならないので卒業要件には注意のこと)。

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