全学共通教育の概要

一橋大学では、1年生のときから各学部での専門教育が始まり、いわゆる教養学部のようなものはありません。そのかわり、「考える基盤を養うための全学共通教育」として、卒業までの4年間にわたり、学部教育と並行して様々な教養科目を一定程度体系的に履修し続けることができるようになっています。これらの教養科目は、多くが学部・学年を問わず履修できるので、「全学共通教育科目」と呼ばれます。

全学共通教育科目は、「外国語」「数理・情報」「運動文化」「人文学」「キャリア科目」「演習」の6つの科目群から成り立っています。「社会科学の研究総合大学 」を謳う一橋大学ですが、自然科学や人文学など、「社会科学」の範疇に入らない伝統的な学問に多く触れることもまた、社会科学に通暁するためには大切なことですし、頭でっかちにならぬよう身体を動かし、身体とその文化について知ることもまた重要です。「運動文化」の一部は必修にしている学部もあります。

「外国語」科目には必修部分が多く含まれます。特に英語のコミュニケーションスキル科目 「PACE」は、グローバル時代に世界で活躍できる英語力を身につけるために全学部の1年生が必修です。また法学部と社会学部では並行して第二外国語も必修で、独・仏・中・露および朝鮮語・スペイン語の6種から選ぶことになっていますが(留学生には専用の日本語科目があります)、商学部・経済学部の学生ももちろん興味に応じてこれらの外国語を学べます。他にも自由選択科目として、アラビア語・ラテン語・ギリシア語などがあり、全ての外国語科目は、初級→中級→上級と段階を追って学ぶことができます 。

人文学や自然科学、運動文化の講義もほとんどは「自由選択科目」で、自己の関心に応じて基礎科目→発展科目へ進んでいけます。「古典講読入門」や「サイエンス・リーディング」などの少人数授業やアラカルトの「演習」を履修してさらに学習を深めることもできます。「演習」には、全学年履修可能な「教養ゼミナール」と、3年次以上が履修できる「共通ゼミナール」があり、後者を履修すると2年間みっちりと興味分野を学ぶことができます。

「キャリア科目」の範疇では、一橋の同窓会組織である如水会の強い支援の下、第一線で活躍する社会人・ビジネスリーダーとの対話による総合的なキャリア形成支援教育等の寄附講義を提供しています。

留学生・交流学生のための「国際交流科目」(HGP科目)は、履修規則上は「共通教育科目」には入りませんが、どの学部の学生であるかを問わず必要に応じて履修できるという点では、一種の「共通」教育科目であると言えます。

共通教育科目は、めざす専門分野を問わず広い教養と知見を身につけると同時に、学部の垣根を越えて互いに交流する貴重な場でもあります。各学部において課される専門カリキュラムの合間を縫って、ぜひこの場を上手に活用し、浩瀚な視野を獲得していってほしいものです。
 ただし各科目区分によって、また学部によって、少しずつ異なる履修ルールが設定されていますので、詳しくは、履修ルールブックを参照してください。

このページの上部へ