∞∞∞  第280回  ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞   
   

   報告者: 松井咲子 氏

   題   名: 日本語教育における多読教育?その効果と可能性?
 
   要 旨:

多読とは,学習者が自分の能力に応じてやさしい読みものから難しいものへ段階的に辞書を使わずに,楽しみながらたくさん読んで語学力をつけていく語学学習法(粟野他2008)である。自分が楽に読めるレベルの読み物を自由に選び,楽しみながらどんどん読んでいくことで,読む力,またその技能を高めていく。英語教育では多読が定着し,学習者の読解力向上,語彙力強化,読みに対するモチベーション向上など様々な効果が報告されている(Day,1998)。一方,日本語教育の読解授業では,語彙や文法など細部に注意を払って読む精読や,限られた時間に必要な情報を読み取ることを目的とした速読が主流となっており,多読は近年まであまり行われて来なかった。

発表者は,英語教育で効果を上げている多読を日本語教育でも取り入れるべきであると考え,所属機関において多読授業を実践してきた(松井他, 2013)。本発表では, これまでの発表者の多読の取り組みを紹介し, 多読の効果と可能性、そして課題について考察する。

 

(1)     粟野真紀子(2008)「多読用レベル別読み物開発の経緯と今後」『日本語教育国際研究大会予稿集』pp.258

(2)     松井咲子、三上京子、金山泰子(2013)「初級・中級日本語コースにおける多読授業の実践報告」『ICU日本語教育研究』 9, pp. 47-59

(3)     Day,R.R.& Bamford,J.(1998) Extensive reading in the second language classroom.

Cambridge: Cambridge University Press.


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